ボードゲーム のコンポーネントを3Dプリンタで自作する

2019.06.18

Scythe(大鎌戦役)というボードゲームの駒(Mech)をデザインして、3Dプリンタで出力してみましたというお話。

Scythe

こんなゲームです。

https://stonemaiergames.com/games/scythe/

こんな感じのMechという駒を利用してゲームを進めます。

引用元:https://stonemaiergames.com/games/scythe/mechs/

知人がプレイしていたのを見て「自分でオリジナルMech作ったら面白くね?」と思ってしまいました。

ということで作ってみましょう。

モデリング

無料のCADソフトfusion360を使ってデザインをしていきます。

これがこうなって、

こうなります。

ここまでちゃんとしたCADを使ったデザインは初めて行いましたが、それっぽく形になってくれました。

次のような特徴を意識しながら、オリジナルのMechに混ぜても違和感の少ないデザインを目指しました。

  • リベットがいっぱい
  • 謎の排気口
  • オリジナルにはいない逆関節
  • メカっぽいなんちゃってシリンダー

3Dプリンタで出力

知人の3Dプリンタを使わせてもらい、出力します。

使用したプリンタは光造形方式のphotonという3Dプリンタです。

画面そのままに現界してくることに驚きを隠せません。

塗装

現界してしまえば、曲がりなりにもモデラーの端くれである私の守備範囲です。

レジンなので、プライマーを吹きつつ適当な色を塗ってやりました。

そしたら知人がシタデルでそれっぽく仕立てあげてくれました。

重大問題

ここで重大問題が発生します。

ノリと勢いで作成したのですが、ScytheのMechは4つで1組なんですねー。

このままではゲームで使えません。

ここからが本題

9ヶ月越しに作ろうというやる気が湧いてきたので、4つ作成してやります。

若干スケール的に小ささを感じていたリベット等々の修正を行い、再度出力をしましょう。

またも知人に頼み、オリジナルMechを出力してもらいました。

知人「レジンを変えて出力クオリティもグレードアップだぜ!」

とのお達しの通り、前回よりもかなりクオリティの高い出力品が4つほど手に入りました。

宿命かな、2次硬化時のひび割れが数カ所起きていましたが、ベビーパウダー+瞬間接着剤で埋めてあげます。
(頭部 (?) に若干入っている赤い部分が瞬着です。)

ベース色塗装

塗装ですが、前回の反省を活かしましょう。

前回の配色ではウォッシングによるトーンの低下を考慮に入れていなかったため、かなり暗い色合いになってしまいました。

標準のMechと一緒に使用することを考えると、多少の有彩色である必要がある気がします。

そのため、ベース色の段階ではちょっと浮きすぎではと思う程度の色合いで塗ってやることにします。

こんな感じですね。

写真では伝わりませんが、ハイライトを入れた微かなグラデーション塗装になっています。
(この後ウォッシングにより全くわからなくなるのですが。。。)

プライマーマルチプライマー(ガイア)
ベースカラーブルーFS15050(Mrカラー)
ハイライトブルーFS15050(Mrカラー)+ ピュアホワイト(ガイア)
関節色ジャーマングレー(エナメル)+ フラットブラック(エナメル)
シリンダーゴールドリーフ(エナメル)
トップコートフラットクリアー(ガイア)

ウォッシング

巷ではシタデルなんて塗料が繁栄を極めているようですが、今回はレガシーな技術で対応します。

かなり薄く希釈したエナメルの茶系をドバドバと塗り込んでやった後、溶剤を染み込ませた筆で重力方向になぞってあげることで、それっぽい汚れを表現します。

大きさ的にもかなり小さいため、デフォルメされた汚れでそれっぽく見えるはず。

エッジに残った茶色が錆び、表面に垂れているのが雨汚れという感じでしょうか。

ついでに、白系の色でドライブラシを全体にかけてあげて情報量を上げます。

ウォッシング前と比較するとかなり落ち着いたトーンになっていることがわかります

トップコートで艶を整えてあげれば本体の完成です。

ウォッシングハルレッド(エナメル)+ フラットブラック(エナメル)
ドライブラシフラットホワイト(エナメル)+ ジャーマングレイ
トップコートフラットクリアー(ガイア)

ベースデコレート

ウォーハンマー等々でお馴染みのベースデコレートを行なっていきます。

色々なパターンを考えたのですが、本体の情報量の少なさを補う目的で、エッジが多く出る岩場っぽい雰囲気にする方向性で。

材料を揃える必要があるのですが、100均で容易に手に入ります。
(結局コルクは使いませんでしたが。)

石のサイズ感がちょうど良かったので採用しました。

木工用ボンドを水に薄めたものをベース部分に塗ってあげて、この石をばら撒きます。

その後うまい具合になるようにピンセットと格闘しながら配置していきます。

配置後、水溶き木工用ボンドを大量に散布して24時間放置するとこんな感じで固定されます。

後はベースを塗装してやれば完成です。

ベース色を塗装 → 灰系でウェットブラシ → 白系でドライブラシ → トップコート でフィニッシュです。

ベース色タイヤブラック(水性ホビーカラー)
ウェットブラシフラットホワイト(エナメル)+ ジャーマングレイ(エナメル)
ドライブラシフラットホワイト(エナメル)
トップコートプレミアムクリアーつや消し(水性ホビーカラー)

完成

というわけで完成です。

新旧比較。

おわり

というわけで、オリジナルMechを作成しました。

かなり良くない?

アマチュアでもこういったものが手軽に作れるのはいい時代ですね。

それではノシ